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廃校を新しいコミュニティ装置にアップデート、徳島県・三好市のカフェ「ハレとケ 珈琲」

―土かべ新聞・設置店(徳島県三好市 ハレとケ珈琲

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 — 四国は徳島県、吉野川や大歩危峡などで知られる三好市。

 

徳島市から車でおよそ1時間30分、徳島県・三好市。

 

日本三大暴れ川の1つとして名高い「吉野川」や、その渓谷の「大歩危・小歩危(おおぼけこぼけ)」。日本のチベットとも呼ばれる、深山幽谷の美しい景観を残す秘境「祖谷」など。自然が美しい山深い地域です。

 

そんな山岳と渓谷が織りなす、静かな山中に「ハレとケ珈琲」はあります。最寄り駅は、香川と高知を結ぶ、JR土讃線(どさんせん)の「祖谷口」。吉野川を渡り、細くうねった山沿いの道をしばらく行った先に小さな集落があり、そこから少し登った小高い所に立つ「旧出合小学校」がその場所です。

 

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集落が見えてからさらに少し登ると、山の中から突如現れる「旧出合小学校」。手前に見えるこの建物は体育館。1階の通路をくぐり抜けると、校舎へ。

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2階建て、鉄筋ブロックの校舎。教室前の外廊下がいい。右手は中庭で、ウッドデッキになっている。

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山と空に囲まれた中庭席に座ると、緑に浮かぶような気分。普段はカフェの客席。イベント会場にもなるし、撮影などにも使われる。

 

 — ランチルームがカフェに、図書室はキッズルームに。廃校が生まれ変わる。

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鉄筋ブロックの2階建、8教室を有する「旧出合小学校」。昭和4年の創立から75年後の2005年に休校します。このような休廃校が三好市に多数存在し、それらを活用しようと市は事業計画を公募しています。

これに応募し、採用された「ハレとケ デザイン舎」のはじめた事業の一つが、この旧出合小学校を再生したカフェ「ハレとケ 珈琲」です。

 

2014年8月、たった1ヶ月の工事期間を経てオープン。

かつてはランチルームだったという部屋をカフェに、本がたくさん残っていたという図書室はキッズルームに。空間がもつ雰囲気やあり様を活かしつつ、新たな視点で再編集されたスペースは「可能な限りセルフビルド」で作ったものだと言います。

中庭に新設されたウッドデッキは、カフェのテラス席になる他、ワークショップやイベント等にも使われています。

 

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 — 手ごね生地のピッツァに、地元の素材を使ったスイーツ。

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私たちが注文した「クリームチーズのピッツァ」と「トマトとモッツァレラのシンプルピッツァ」

 

カフェの主力メニューの一つが、ピッツァです。

トマトとモッツァレラというオーソドックスな組み合わせから、和風、そして甘いデザートピッツァまで全7種類。トッピングはもちろんながら、耳まで美味しいのは生地がパン生地だから。手ごねで作ったというもっちりとした生地を、古いガス釜で焼き上げているそう。

他にも、はっさくやハチミツ、そば粉など地元の素材を使ったスイーツなどが並びます。

 

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トレイとスプーンが学校の給食を彷彿とさせる、欧風カレー。味は給食とは異なり、ちゃんと欧風。美味しかったです。 

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はっさくのケーキ、2種類。地域の特産にも関わらず、あまり顧みられないはっさくを美味しいスイーツに。

 

 — 学びの場を活かした、新しいコミュニティ。

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図書室をリノベーションした、キッズスペース。大人でも入って、遊べますよ。

 

旧出合小学校は、飲食店に転換したわけではありません。

 

 ハレとケ デザイン舎の植本さんが

「ここに来ると(学校にきた!)という気持ちになるらしくて、
 みんな、小さい子がいたら自然と声をかけるし、
 普通のお店だったら互いに干渉しないと思うけど挨拶するのね。」

と言うように、学校という場所がもつ力学は今も失われていません。

 

実際、ここは単なるカフェではなく、「おいしい火曜日 ものづくり」をはじめとしたワークショップや、お芝居やライブなどのイベント開催など、学校という場を活かして人が集い、学び、交流する新しいコミュニティを生む装置としてアップデートされているのです。

 

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ウッドデッキから校舎を見たところ。

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 2階はトイレと、まだ未活用の教室が4部屋。今後の展開が楽しみ。

 — ハレとケ デザイン舎の植本さんとスタッフの関根さん。

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自身は飲食店の経営は初めてという「ハレとケ デザイン舎」の植本修子さんだけれど、お父さんは千葉県で喫茶店を営み、お母さんは洋菓子研究家、そして、一緒にお店をやってらっしゃる妹の綾子さんはパティシエと、家族がみな食に関わる仕事をしているそう。

 

「ハレとケ 珈琲」はそんなご家族が特技を持ち寄り、結びついてできたカフェなのです。

 

オープン当初はご両親も一ヶ月程滞在。お店の運営を手伝い、指導してくれたそうですが、今は植本さん姉妹と、スタッフの関根さん、ひかりさんの4人で切り盛りされています。

 

私たちが訪れたその日は、一人ぶらりとやってきた常連ぽい地元のおじいさんや、隣の市から来たという若いカップルなど、客層は幅広く。それでも皆がふつうに挨拶し、言葉を交わす様子がとても気持ちよかったです。

 

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 土かべ新聞も置かせてもらってます。

 

ハレとケ 珈琲

住所 三好市池田町大利大西15番地
電話 0883-75-2208
営業 水・木をのぞく、11:00 – 17:00(週末のみ-18:00)

http://www.facebook.com/haretokedesign/

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This article was written on 25 5月 2015, and is filled under 食べる.

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